2010年10月25日月曜日

『松茂町誌』余話(2) -「同時代史」に悩む -

 
 今日(月曜日)は休館日でしたが、昼前から職場の会議室に籠もって、『町誌』の原稿を整理しておりました。

 現在、編集中の『町誌』は既刊(上中下巻、続編、同第2巻)の続編なので、ここ10年程を対象期間とした「同時代史」です。近世史研究者の私は、いつも古文書と四苦八苦して歴史を叙述してきましたから、現に生きて体験した時代を叙述する「同時代史」は、何とも不思議な歴史学のカテゴリーです。「歴史と呼ぶにはあたらし過ぎないか?」という、素朴な疑問もあります。

 それでも、時代の流れは速いですね。原稿を整理していると、「えっ、まだ10年しかたっていないのか。」という驚きが随所にあります。例えば「郵政民営化」を考えてみると、ほんの十数年前まで「郵政省」で、その後、「郵政事業庁」→「日本郵政公社」→「日本郵政株式会社(他4社)」と変わります。ほんと「十年一昔」ですね。

 やはり「同時代史」も、歴史学のカテゴリーで間違いないようです。

(主任学芸員 松下師一)