2015年9月24日木曜日

中国・四国ブロック民俗芸能大会へ行ってきました。(その3)


9月20日(日)、いよいよ大会当日を迎えました。
当日は天気にも恵まれ、開演前から多くの観劇客が訪れていました。

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ホール前には、各県のPRブースが置かれており、徳島県のブースも発見しました。
ブースには、鳴門の渦潮やお遍路を浮世絵仕立てで紹介したポスターなどがありました。
我が松茂町からは、資料館のパンフレットやスカイフェスタのチラシを持ち込み、しっかりとPR活動を行ってきました。

徳島県のPRブース
資料館パンフレット(写真中央)
ちなみに、開催地の島根県は、なにやら島根県観光プロモーション『ご縁の国しまね』のPRキャラクターにEXILEのメンバーを採用しているらしく、ポスターやPR映像を使用して宣伝を行っており、驚かされました。

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開会式も無事に終わり、民俗芸能大会のはじまりです。
ふれあい座は、2番目の出演ということもあり、トップバッターの佐陀神能保存会(島根県松江市)の神楽を、舞台袖から緊張の面持ちで見つめていました。

そして、いよいよふれあい座の出演です。

 

大勢の観劇客の前で、「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を上演しました。


人形を操る三人の息もぴったりと合い、観る者を魅了していました。なかには、涙を流しながら観劇してくれた人もいたようでした。
上演終了後には、会場から盛大な拍手が湧き、ふれあい座の上演は大成功です。

ふれあい座は、来年度高知県で開催される「第58回中国・四国ブロック民俗芸能大会」への連続出場を目指し、日々”技”を磨いています。今後とも、ご支援よろしくお願いします。

(学芸員 菅野 将史)

中国・四国ブロック民俗芸能大会へ行ってきました。(その2)


無事にリハーサルを終えた「ふれあい座」の面々と、情報交換交流会の会場である「サンラポーむらくも」へと移動しました。

情報交換交流会場では、各出演団体の紹介が行われました。

「ふれあい座」の座員一同が登壇し、代表して座長が「阿波人形浄瑠璃」の歴史と「ふれあい座」の成り立ちを紹介しました。
また、ある団体が、「最近、女子高校生が2名参加してくれるようになりました!」と報告したのに対して、負けじと「最近、力仕事をしてくれる男性座員が増えました!」と会場の笑いを誘う一幕もありました。

あいさつをする「ふれあい座」
交流会も順調に進んでいき、有福神楽保持者会さん(島根県浜田市)の時に、有福神楽の演目「恵比寿」の舞いを披露していただきました。

有福神楽 演目「恵比寿」

「恵比寿」を演じているのは、なんと小学4年生の男の子だということでビックリしました。動きにもキレがあり、小学4年生ながらも熟練した舞いは、会場全体を魅了していました。


ちなみに、この男の子は、神楽の練習のためにはるばる広島県から通っているそうです。なんでも、お祖父さんとお父さんが浜田市の生まれで、有福神楽保持者会のメンバーでもあることから、彼も参加しているみたいです。

また、近年、地域の過疎化や少子高齢化の問題による後継者不足、地域住民の民俗芸能・伝統芸能への関心の低下など多くの問題を抱えている状況ですが、後継者育成がしっかりと行われているなと感心させられる場面でもありました。

一方で、神楽の舞いを見せられて役者魂に火を付けられたのが、何を隠そう「ふれあい座」の面々です。

今回の島根県への公演にも、しっかりと阿波おどりのCDを持ってきているではありませんか。用意周到なことに驚かされました。

私の知らない間に、司会の方にCDを渡しており、いつの間にか交流会場が演舞場へとなっていました。
交流会参加者の中には、「ふれあい座」の面々と一緒に踊りだす人もおり、会場は大盛り上がりでした。


阿波おどりを披露する「ふれあい座」
かく言う私は踊れないので、「ふれあい座」の踊りを撮影することに徹しました。

交流会で阿波おどりを踊った「ふれあい座」の面々は、本番に向け鋭気を養うことができたことでしょう。

(学芸員 菅野 将史)

→つづく







2015年9月22日火曜日

中国・四国ブロック民俗芸能大会へ行ってきました。(その1)


9月19日(土)~20日(日)の2日間、「第57回中国・四国ブロック民俗芸能大会」へ行ってきました。
私たち松茂町の阿波人形浄瑠璃芝居「ふれあい座」が、徳島県の代表として参加し、「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を披露してきました。

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中国・四国ブロック民俗芸能大会は、昭和34年(1959)に第1回目が岡山県岡山市で開催され、以来各県が持ち回りで開催しています。今年で57回目をむかえる歴史ある大会です。今年は、島根県松江市での開催となり、各県から参加した芸能保存会と芸能を紹介します。(公演順)

○佐陀神能保存会「佐陀神能」(島根県松江市鹿島町)
○ふれあい座「阿波人形浄瑠璃」(徳島県板野郡松茂町)
○赤泊太刀踊保存会「赤泊太刀踊」(高知県幡多郡大月町)
○俵津文楽保存会(すがはら座)「俵津文楽」(愛媛県西予市明浜町)
○島田人形浄瑠璃保存会「島田人形浄瑠璃芝居」(山口県光市島田)
○白石踊会「白石踊」(岡山県笠岡市白石島)
○南川太鼓保存会「南川太鼓」(香川県さぬき市大川町)
○坂原神楽団「坂原神楽」(広島県山県郡安芸太田町)
○会見 小松谷盆踊り保存会「小松谷盆踊、バンバ踊」(鳥取県西伯郡南部町)
○有福神楽保持者会「有福神楽」(島根県浜田市下有福町)

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19日(土)朝、「ふれあい座」のみなさんと、町有バスで島根県へ出発しました。
松茂スマートインターチェンジ(スマートIC)を利用したことがない座員がいたことから、運転手さんの粋な計らいにより、スマートICから高速に乗りましたが、これには座員も大喜びでした。

その後、高松道をひた走り瀬戸大橋を渡り、岡山県(岡山道)と鳥取県(米子道)を通過し、民俗芸能大会の会場・島根県民会館へは、お昼過ぎに到着しました。
会場のすぐ目の前には、今年7月に国宝に指定された松江城があり、観光客でたいへん賑わっていました。

会場に到着後、さっそくリハーサルの準備です。


シルバーウィーク期間中で大勢の観客が訪れることが見込まれるため、会場が中ホール(600人規模)から大ホール(1600人規模)へと変更になったこともあり、入念にリハーサルを行いました。

リハーサルに余念がない座員たち

大会会場

無事にリハーサルを終えたあとは、 情報交換交流会が行われる会場へ移動です。

(学芸員 菅野将史)

→つづく