2009年11月22日日曜日

全史料協大会(福島市)に参加しました(後編)

  
 大会2日目の11月19日(木)は、福島県文化会館小ホールを会場に、「大会テーマ研究会」です。

 今夏、国会で成立した公文書管理法を議論の軸に、「歴史的価値のある公文書」を遺すことの具体的手法について、様々な見知から分析と問題提起が行われました。

大会テーマ研究会(福島県文化会館小ホール)
  
 「歴史的価値がある公文書」をめぐる諸問題は、町立の資料館の学芸員である私にとって、とても重要な問題です。私も歴史家である以前に町職員として、この問題の当事者であり、立法の趣旨を具現化していく役目を担っています。気が引き締まる思いです。がんばります。


  
 歴史資料をめぐる国レベルの課題や全国各地方の課題、また最新の学会情報など、やはり全国大会は得るものが多いです。遠路、福島市まで出張した意義がありました。

 あと、千葉県のKさんから「最近、ホームページおもしろくなったね。」と、当ホームページをお褒めいただきました。ご覧いただき、誠にありがとうございました。今後も充実に努めます。

第35回全史料協大会 閉会行事
  
 閉会行事の後、早速帰路につき、福島駅で興味深い場面に出くわしました。東北新幹線「MAXやまびこ」と山形新幹線「つばさ」の連結です。思わず、にわか鉄道マニアになり写真を撮りました。(ちなみに、にわか鉄道マニアは私だけでなく、ホームは携帯カメラを構えた背広のサラリーマンでいっぱいになりました。どうやら新幹線は、“男の浪漫”のようです。)

東北新幹線「MAXやまびこ」と山形新幹線「つばさ」の連結
  
 ほんとうに充実の全国大会でした。


(主任学芸員 松下師一)

2009年11月20日金曜日

全史料協大会(福島市)に参加しました(前編)

   
 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)第35回大会参加するため、17日(火)の午後に松茂を発ち、夜7時に福島市に到着しました。「徳島県」と「福島県」は、漢字も平仮名も1字違いですが、とても遠いです。

東京駅東北新幹線ホーム
 
 生まれて初めて東北新幹線に乗りました。秋田新幹線“こまち”を連結させた車両に乗りましたが、残念ながら秋田行きの“こまち”としては運行されず、仙台止まりの“やまびこ”として運行されました。

 さて、本題の大会ですが、初日(18日)はまず「研修会」です。私は午前中に山内幹夫さんの「福島県歴史資料館の施設と業務」(隣地見学会)へ、午後は長谷川伸さんの「地域史料の保存・整理対策 -新史料協編『古文書保存・整理の手引き』の紹介と解説-」へ出席しました。

福島県歴史資料館(外観)
  
 隣地見学の「福島県歴史資料館」は、大会会場の「福島県文化センター」の裏手にあり、ちょっとわかりにくい施設です。18日は青空でしたが急に冷え込み、昼頃には小雪が舞っていました。四国・徳島と比較すると、とても寒いです。

福島県歴史資料館(展示室)※拡大無し
  
 「資料館」の展示は、NHK大河ドラマ「天地人」ゆかりのものでした。低予算で魅力的な展示を企画したことなど、なかなか勉強になる話が聞けました。

福島県歴史資料館(収蔵庫/近代文書)※拡大無し
  
 収蔵庫です。県史編纂に伴う収集史料を中心に、明治~昭和の県庁文書など近代の史料も充実していました。

福島県歴史資料館(収蔵庫/中性紙BOXファイルに整理された近代文書)
  
 私が感心したのは、近代史料を納めてある中性紙のBOXファイルです。1点ずつ背表紙の形が違うことから、1点ずつ文書(簿冊)の形状に合わせて作成したものだと思います。すばらしい。

 また、BOXファイルの背文字も、毛筆で筆耕したようです。とても上手で、感動しました。

午後の研修会(長谷川伸報告)開始前
 
 午後、長谷川伸さん(新潟市歴史博物館)の「地域史料の保存・整理対策 -新史料協編『古文書保存・整理の手引き』の紹介と解説-」は、新潟県の歴史資料をめぐる諸課題を、手引き書を刊行する協同作業を通じて解決しようと試みた実践報告でした。新潟の課題も、徳島の課題も、その多くは同じです。「人材難」「財政難」「育成難」をどう解決するのか、また解決方法をどう普及するのか。私も知恵を絞って頑張りたいと思います。(質疑の最後に、思い切って発言もしました。)

*      *      *      *


 初日の最後、研修会の後に「総会」がありました。自治体予算削減の中で、歴史資料保存の取り組みを如何に継続・発展させるのか、底冷えする小ホールで全国からの参加者による真剣な議論が展開されました。

(主任学芸員 松下師一)

※ 以下、(後編)へ続く。

2009年11月11日水曜日

「第24回国民文化祭・しずおか2009」に参加しました(後編)

  
 11月8日(日)は、まず「阿波人形浄瑠璃ふれあい座」の公演会場“ワークピア磐田”へ。そこで、国文祭実行委員会から依頼された床(太夫座)を仮設します。

 床(太夫座)は、ふれあい座の前に公演する八王子車人形(八王子市立由井中学校三味線部)も使用するので、朝一番の仕事です。実行委員会に用意していただいた机と、松茂から持ち込んだ暗幕・緋毛氈で、無事にかっこいい床(太夫座)が完成しました。



 床(太夫座)が完成すると、会場間シャトルバスに乗り、市民文化会館へ移動。

 影絵劇団はなほなの記録写真の撮影です。



 新型インフルエンザの余波で、お客様の入りが心配されましたが、まずまずの様子。たのしいステージの開演です。



 阿波(徳島県)の昔話を題材にした「あわの影絵えまき」は、美しいスクリーンとユーモアあふれるストーリーです。会場のみんなが楽しい時間を過ごせましたね。



 午後からは、再びワークピアにもどって、ふれあい座の「傾城阿波の鳴門」です。

 冒頭、私が解説をし、その後、口上の「とざい、と~ざい、…」で開演です。情感あふれる義太夫の語りと、伝統の三人遣いの技に、磐田のお客様も満足していただけたと思います。私が仮設した床(写真右下)も、見事に舞台にマッチしています。

 ちなみに、磐田市民文化会館のロビーに、磐田市指定有形民俗文化財の木偶人形が展示してありました。見れば、あきらかに阿波系の頭(かしら)です。この街にもかつて、阿波(淡路)人形浄瑠璃が伝播していたことを知り、正直驚きましたし、感動しました。何かの機会に復活すれば素晴らしいですね。



 全国の人形劇関係者と楽しい交流を深めた“ふれあい座”と“はなほな”は、夕方、磐田市を出発し、真夜中に松茂町に無事到着しました。みなさんお疲れさまでした。

(主任学芸員 松下師一)



2009年11月9日月曜日

「第24回国民文化祭・しずおか2009」に参加しました(前編)

  
 当館を拠点に活動する「阿波人形浄瑠璃ふれあい座」が、徳島県代表として第24回国民文化祭・しずおか2009に出演するので、私(主任学芸員 松下師一)もスタッフ(解説員)として7日(土)・8日(日)の両日、静岡県磐田市へ出かけてきました。

 同じく徳島県代表として出演する松茂町の「影絵劇団はなほな」と共同で貸し切りバスを仕立てて、朝5時半に当館を出発!

 途中、渋滞に巻き込まれながらも、何とか昼12時半に現地(磐田市民文化会館)に到着しました。



 「あれ、なんか静かだなあ」と思うと、理由は下記の写真で一目瞭然。

 新型インフルエンザで、出演者もお客様もキャンセル続きの様子。



 私は一昨年、“第22回国民文化祭・とくしま2007”で、「まつしげ人形劇フェスティバル」の事務局をつとめたので、磐田市実行委員会の苦しい立場を考えてしまいました。

 ちょっと残念ではありますが、こうした条件下でも来てくださるお客様と、出演のみなさんに感謝しましょう。

 さて、文化会館のロビーに来てみると、私にとって懐かしい「豊岡」の文字を発見しました。磐田市豊岡南幼稚園の作品展示です。

 私は静岡大学日本史学研究室の卒業生で、大学2年生の時に『豊岡村史』のアルバイトをしました。地元の公民館に泊まり込んで、古文書のデータ採りをした覚えがあります。あの豊岡村は、今、磐田市と合併したのですね。



 ほかロビー内では、静岡国文祭マスコットの“ふじっぴー”が大人気でした。



 夜は磐田市内のホテルで「歓迎交流会」が開催されました。開会は磐田市長さんの挨拶です。



 会場の片隅に、歴代国文祭マスコットが展示してありました。

 左から一昨年(2007年)の「すだちくん」(徳島県)、昨年の「ハッスル黄門」(茨城県)、今年の「ぶじっぴー」(静岡県)、来年の「ももっち」(岡山県)です。「すだちくん」は、一昨年、松茂町で歓迎交流会をしたときに、松茂町から磐田市の実行委員会にプレゼントしたものです。なつかしい再会でした。



 全国の人形劇関係者と意見交換をし、有意義な時間を過ごせた「歓迎交流会」でした。一昨年、松茂町に来てくださった劇団の方々とも再会でき、本当にうれしかったです。ありがとうございました。



 さあ、いよいよ明日(8日)は、“ふれあい座”と“はなほな”の公演日です。がんばらねば。

 私も朝からワークピア磐田多目的ホールで、床(太夫座)を仮設せねばなりません。

2009年11月5日木曜日

11月2日・3日は“秋祭り”

  
 11月2日(月)・3日(火・祝)は、松茂町内の各神社で、秋祭りが行われました。高度成長期に「生活改善運動」の一環として祭礼日を統一したため、町内一斉の秋祭りです。

 私は町指定無形民俗文化財「三人背継ぎ獅子舞と練り」の記録映像を撮るために、ビデオカメラを持って広島春日神社の祭礼へ出かけました。3日の11時から、旧吉野川沿いの御旅所(御神輿がしばし休む場所)で2時間ほどの撮影です。

 「三人背継ぎ獅子舞」は隔年開催なので、3日は2年に1度の貴重な撮影機会です。今年夏、財団法人空港環境整備協会から当館へご寄贈いただいたビデオカメラが大活躍しました(このビデオカメラは、8月23日の「二上り音頭」の撮影でも活躍しました)。

 少しまとまった時間を確保して、編集作業を行ってから、映像を公開したいと思います(が、秋は繁忙期でまとまった時間が確保しづらい状況です)。今しばらくお待ちください。

(主任学芸員 松下師一)