2015年10月31日土曜日

特別企画「春藤嘉雄氏 漆喰絵画展」の記録


平成27年10月6日(火)から本日31日(土)まで、当館にて特別企画「春藤嘉雄氏 漆喰絵画展」を開催しました。

松茂町在住の左官兼芸術家の春藤嘉雄氏が、鏝(こて)を使用して描いた数多くの「漆喰絵画」を展示しました。

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会期中には、町内の方はもとより、町外や県外からも多くのお客様にご来館いただき、まことにありがとうございます。


春藤氏ご本人による展示解説は、連日大盛況でした。


また、徳島白菊特攻隊を語り継ぐ会の山下釈道代表もご来館なさり、機上作業練習機「白菊」の作品の前で、春藤氏ご本人から戦争体験や白菊特攻隊の話を、熱心に聞かれておりました。


なお、明日11月1日(日)から、一部展示替えを行い〈第2部〉を開催いたします。〈第2部」では、鳴門市に飛来したことで話題の「コウノトリ」の新作も展示します。ぜひ、ご覧ください(観覧無料)。

※平成27年度松茂町歴史民俗資料館では、防衛省「特定防衛施設周辺整備交付金」の助成により、住民参加型文化事業を担当する非常勤職員が配置され、「協働」をキーワードに各種展示や文化イベント等を行っています。

(学芸員 菅野 将史)

2015年10月24日土曜日

松茂中学校2年生職場体験の記録


10月20日~21日まで、松茂中学校2年生の生徒3名が、当館で職場体験学習を行いました。

学芸員として3名は、人形浄瑠璃の演目「仮名手本忠臣藏」の番付について調査してみました。

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はじめて見る"番付"に悪戦苦闘しながらも、資料の特徴や魅力を発見することができました。


その成果として、ミニコーナー展示「解説 松中女子が学んだ浄瑠璃の世界~番付の豆知識~」として、資料や解説用パネルを展示しました。


展示する位置を決めるのも大変です。

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無事に完成しました。3名が一生懸命調べたことが、豆知識として解説されています。


なお、ミニコーナ展示「解説 松中女子が学んだ浄瑠璃の世界~番付の豆知識~」は、文化財展示室前のコーナーで展示中です。ぜひ、ご覧ください。
(学芸員 菅野将史)

講座「石碑に学ぶ松茂の歴史」(第1回)開催記録


10月17日に、松茂町文化遺産活用実行委員会主催の講座「石碑に学ぶ松茂の歴史」の第1回目が、資料館研修室にて開催されました。


講 師:松下師一氏(町文化財保護審議会委員)
内 容:「石碑に学ぶ郷土の歴史―松茂町内と、松茂ゆかりの地をたずねて―」


松茂町内に遺る石碑を中心とした文化財を、写真や地図で紹介しました。


町内には、「豊久開基碑」(町指定有形文化財)など新田開発の記録が記された石碑や、江戸時代末期に発生した安政南海地震の悲惨な状況を刻んだ「敬渝碑」があります。


地元松茂に長年住んでいる受講生でも、なかなか気づくことのできない場所にある石碑も紹介されました。今回紹介された石碑を、第4回のフィールドワークでめぐる予定です。

普段何気なく歩いている道に、ぽつりとある石碑やお地蔵さんに興味をもって見てみてください。きっと新たな発見があると思います。

(学芸員 菅野 将史)

※本事業は、松茂町歴史民俗資料館・人形浄瑠璃芝居資料館に事務局を置く、松茂町文化遺産活用実行委員会が、文化庁「文化遺産を活かした地域活性化事業(文化芸術振興費補助金)」の助成を受け、文化遺産を保護・啓発する人材育成事業の一環として行っています。

2015年10月19日月曜日

県文審連45周年記念大会参加記


今日は、徳島市生涯福祉センター(ふれあい健康館1階ホール)で開催された、「徳島県市町村文化財保護審議会連絡協議会 創立45周年記念大会」に、町文化財保護審議会委員のみなさんと参加しました。

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はじめに、創立45周年記念大会ということで記念式典がおこなわれました。
会場は、県内24市町村の文化財保護審議会委員の方々や一般の参加者で、満席状態でした。

記念式典では、まず、沖田定信会長があいさつを行いました。



続いて、来賓の飯泉嘉門徳島県知事より祝辞をいただきました。



記念式典を無事に終え、次に記念講演が行われました。

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最初の報告は、徳島大学大学院教授(徳島県文化財保護審議会会長)の石田啓祐氏で、演題は「徳島県内の天然記念物の保存と活用」です。


石田氏は、「事象とパラダイムの変化を把握し、次世代と内外に向けて保存・活用するために」をキーワードに、県内外の天然記念物や海外の事例を挙げ、徳島県の文化財資源は豊富であることと、歴史・文化・産業などが一体となった取り組み例を紹介されました。


続く2人目の報告は、大阪府文化財センター理事長の田辺征夫氏で、演題は「古代寺院遺跡の整備と地域の活性化」です。


田辺氏は、史跡の整備をめぐる問題や活用の仕方を、寺院遺跡の活用例などを挙げ紹介されました。また、報告の中で、「我々の仕事は、遺跡を日常生活の中に取り戻し、文化財を文化にする作業をしている。」とまとめておりました。

文化財の整備活用について学ぶことができ、充実した大会でした。

(学芸員 菅野 将史)