2010年2月15日月曜日

「第5回現代の木偶展」を見学

「第5回現代の木偶展」会場
 昨日(14日)、徳島市の「あわぎんホール(郷土文化会館)」で開催された「第5回現代の木偶展」を見学してきました。阿波木偶作家協会の会員をはじめ、四国大学の学生や徳島科学技術高校の生徒など、約100点の作品が展示されてました。

 会場の受付には、当館講座の講師・吉田尚行(人形尚)先生がおいでで、会場中程には甘利洋一郎(人形洋)先生が来場者と歓談していました。そんな何気ない風景に、「あ~、徳島県は木偶人形の故郷なんだなぁ」と感じました。

 昨秋、83歳で他界した田村恒夫(人形恒)さんの人形にも、感慨深いものがありました。上手く書けませんが、やはり人形恒の作品(特に女性)には、その雰囲気があります。人形師の持つ「作風」というべきものでしょうか。

あわ工芸座「傾城阿波の鳴門」
 さて、見学を終えて帰ろうとすると、ちょうど「あわ工芸座」の人形浄瑠璃芝居「傾城阿波の鳴門」がはじまりました。いっしょに行った息子が「人形劇、観たい!」と言うので、しばし観劇しましたが、やはり5歳児には難解であったようです。途中から、だらだらして周囲にご迷惑になってしまいました。ごめんなさい。

 とはいえ、普段、松茂の「ふれあい座」の公演ばかり観ているので、語りや演出(人形の操作)など、いろいろと参考にすべきところがありました。各人形座が他座の公演を観て、全体のレベルを向上させるために(批判のための批判は無しで)、意見を交換する必要があるのではないでしょうか。

(主任学芸員 松下師一)

2010年2月7日日曜日

徳島県立文書館「歴史講座」講師


 2月7日(日)の午後、徳島県立文書館の「歴史講座」で、ゲスト講師として2時間の講演を行ってきました。講演タイトルは、「近世後期吉野川中下流域における治水利水」です。

 県立文書館で開催中の展示「暮らしの中の吉野川」にちなんだ講座で、地域柄もあって松茂町歴史民俗資料館学芸員の私に、ゲスト講演のお呼びがかかったのです。

 講演内容は、下記のように全体を5つのテーマに分けました。

  1. はじめに(「開発」と「水不足」)
  2. 真水を求めて ―「第十堰」と農業生産 ―
  3. 干拓をめぐるトラブル ―「悪水吐一件」と「御海老」―
  4. 徹底した「訴願闘争」と地域(阿波国下郡)の特性
  5. むすびにかえて(地域史研究のおもしろさ)
 15年ほど昔に取り組んでいた「松茂の治水・利水」の研究に、最近の関心事である「近世の地方行政」の話題を付け加えてみました。まあまあ、うまくまとめられたとは思うのですが、聴衆の皆さんはおもしろかったのでしょうか。また、感想を聞いてみたいと思います。

(主任学芸員 松下 師一)