2009年9月6日日曜日

研究者の「縁は異なもの」(1)

 
 日曜日(9月6日)の午前中、お茶の水女子大学のK先生が来館されました。

 K先生は近世演劇史研究の第一人者で、大塚国際美術館で上演される「システィーナ歌舞伎」を観劇する前に、ちょっと立ち寄ってくれました。史料や研究について意見交換し、中西仁智雄コレクションの浄瑠璃本をご覧になって鳴門へ移動されました。

 久々にお会いしましたが、相変わらずエネルギッシュでなによりでした。

 さて、近世演劇史研究者のK先生が当館を訪ねるのは、ごく当たり前のようでありますが、実は「縁は異なもの」で、ちょっとしたエピソードがあります。

 今から8年前の2001年に、当館の資料整理のアルバイトをお願いしたIさんという女性がおりました。彼女は九州の出身でしたが、海上自衛官の夫とともに徳島に転居していたわけです。このIさん、学生時代に近代史を専攻された本格派で、結婚までは福岡市立博物館や松本清張記念館で仕事をされていました。当館では、佐藤和之家文書の整理を担当し、同『目録』を仕上げてくれました。

 そんなIさんがある日、「高校時代の同級生が人形浄瑠璃の研究をしているので、当館に調査に来るよう声をかけてもよいか?」と問うので、「もちろんOK」と答えました。

 「縁は異なもの」、その同級生がK先生でした。

(主任学芸員 松下師一)