子どもの頃、とりわけ8月の下旬、みなさんは宿題に悩まされませんでしたか。
私はいつも宿題に苦戦していました。
そんな子どもの頃の思い出と関係があるのか無いのか、私はここ数か月、アフターファイブの「宿題」に悩まされていました。とっても大きな2つの「宿題」です。
「宿題その1」は、徳島地方史研究会の『創立40周年記念論集』の編纂です。「生業」をテーマに、研究同人9人の渾身の作をとりまとめました。
私も、明治~昭和初期の人形浄瑠璃一座(上村源之丞座)の経営をテーマに、39ページの論考を執筆しました。基本的に史料紹介(古文書の翻刻)がベースですが、必ずしも専門的な内容ばかりではなく、一般の方も読みやすい文面に仕上がっています。自分の著作の執筆・校正と、論集全体の編集・校正を並行して進めたため、時間的に猛烈にタイトなスケジュールになってしまいました。いやはや、くたくたです。
そんな『論集』の編纂作業が、一昨日(13日の休館日)、無事に終了しました。最後は出版社に朝から「かんづめ」になって、T博物館のSさんと2人で手分けして、9論文・360ページの全体を確認しました。「はぁ~、よかった」と、安心感と充実感の刻(とき)でした。
「宿題その2」は、南あわじ市の引田家文書の目録作成です。引田家とは、淡路人形浄瑠璃芝居の元祖「上村源之丞座」を経営していた家で、その古文書類は近世~近代の地域史を語る上で第一級のものばかりです。この夏から、380点に及ぶ古文書目録の点検・確認作業に着手しておりました。
地元・淡路地方史関係者の期待も大きく、先の『論集』に掲載した拙稿執筆と連携させながら進めてきましたが、これもスケジュール的に厳しく、今夜、やっと完成しました(今、最後の確認作業を終えて、淡路島から帰宅したところです)。
ほんとうれしいです。が、・・・・・。
ありゃ、「宿題」はこれで終わりじゃないんだ。もう次が待ち構えているぞ!
すぐに次の「宿題」に取りかからなきゃ。
(主任学芸員 松下師一)