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2011年1月20日木曜日

2010年度阿波学会(旧・一宇村)原稿提出

 
 やれやれ、8月の阿波学会調査(旧・一宇村/現・つるぎ町一宇地区)の「報告書」原稿を、なんとか締め切り当日(1月20日)朝に提出しました。相変わらず時間ギリギリです。

(写真1)分析した元禄11年検地帳の1冊

 私が担当したのは、つるぎ町役場一宇支所(旧村役場)の書庫から発見された検地帳群の研究リポートです。まとまって残っていた「元禄十一年戊寅年八月二日」の年記がある29冊の検地帳(写真1)を分析にして、17世紀末の旧・一宇村域の農地利用を考察してみました。

 私が注目したのは、検地帳に記された「矩揃」(かねぞろえ)です。

(写真2)検地帳に記された「矩揃」の例

 「矩」(かね)とは、近世徳島藩の用語で「田畑の等級」を意味しており、「矩揃」とは検地帳に掲載された全筆の面積を「等級ごとに取りまとめる」ことを意味しています。通常、検地帳の末尾には「矩揃」が掲載されており(写真2)、田畑の等級ごとの面積を容易に知ることができます。これを分析してみました。

 分析の結果は、半年後の7月に刊行予定の「阿波学会報告書」に掲載されます。お楽しみに。

(主任学芸員 松下師一)

2010年12月31日金曜日

古文書合宿の思い出(阿波学会/つるぎ町一宇編)

 
 今日は2010年の大晦日です。今年も学芸業務やら、『町誌』の編さんやら、地域史の研究やら、諸学会・諸研究のお手伝いやら、本当にいろいろありました。そんな1年間のうち、うっかり掲載し忘れた平成22年度阿波学会総合学術調査の古文書合宿(地方史研究班・徳島地方史研究会主催)について、ここでちょっと紹介しておきたいと思います。

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 夏の古文書合宿は、2010年8月2日(月)・3日(火)の両日、美馬郡つるぎ町一宇地域(旧・一宇村)で開催されました。旧・一宇村の役場(現在の役場支所)は、一宇地区の中心地の赤松という集落にあります。急峻な剣山系の山肌にへばりつくように集落は広がっています。

つるぎ町一宇赤松の集落

 合宿の合間に、一番奥の集落・桑平地区まで行ってみました。8月の猛暑とはいえ、高山の気候は少し涼しく感じました。



 旧・一宇村といえば、数多くの巨樹・巨木と、「土釜」「鳴滝」といった美しい滝の数々です。写真は「土釜」直下の清流の流れです。



 さて、本論へ戻りましょう。今回、古文書調査の対象としたのは、支所(旧役場)の書庫です。写真のように支所屋上に増築された建物で、一見すると簡素な造りのように見えますが、内部は5室に分かれており、なかなか立派な施設です。



 事前にお伺いした話によれば、江戸時代の古文書はおろか、明治時代の記録も無いということでしたが、実際、書庫内に入ってみると、長年の経験から“第六感”が働きます。



 「やっぱりあるじゃないの。」と、私、少々重量オーバー気味ですが書架の最上部へよじ登ります。



 明治時代の精緻な地積図(分間図)が発見されました。大きすぎて大会議室の床に広げないと全体が見渡せません。



 同行の板東紀彦さん(徳島県立文書館主任専門員)が、同じく書庫内から江戸時代の「検地帳」と「棟附帳」を発見しました。旧・一宇地域の近世史解明の基礎となる、とても重要な古文書の数々です。



 板東さんと町田さん(鳴門教育大学准教授)が保存状態を確認する横で、私と助手は撮影の準備です。



 今回参加の助手君は、年少ながら古文書の扱いも適切で、なかなかの活躍ぶりでした。「検地帳」が納められていた木箱を丁寧に清掃し、調査記録や撮影が出来るように下準備をします。



 2日目に調査した明治・大正時代の記録でも、綴じの痛みや落丁の有無を確認しながら清掃を進めます。よくがんばりました。



*          *          *

 こうして調査した成果は、1月中旬までに原稿にとりまとめて事務局(徳島県立図書館)へ提出します。来年7月には、『報告書』として刊行・公開される予定です。

 ちなみに私は、この合宿で発見・調査した江戸時代の「検地帳」をテーマに、ただいま年越しで原稿(短編)を執筆中です。

(主任学芸員 松下師一)

2010年12月29日水曜日

2010年度 阿波学会総合学術調査発表会

 
 今月初めの日曜日(12月5日)、美馬郡つるぎ町の一宇公民館で、2010年度の阿波学会総合学術調査の「発表会」がありました。

 参加したのは、私と立石恵嗣さん(元・徳島県立文書館長)、町田哲さん(鳴門教育大学准教授)の3人です。



 しかしながら今回、私は報告を担当しませんでした。運転と写真記録の係です。

 正直、大きな宿題を2本抱えていたので、とても報告をまとめることができず、2人のサポートに回りました。



 まず、立石さんから調査の概要報告が行われました。8月につるぎ町一宇地区で実施した1泊2日の古文書合宿について、その様子と成果がパワーポイントを活用してわかりやすく報告されました。

 つづいて町田さんから、徳島県立文書館所蔵の武田家文書(つるぎ町東端山)と、古文書合宿で調査した「棟附帳」を比較検討した“特論”が報告されました。

 この後、会場の方々との若干の質疑応答もあり、よい発表になったと思います。

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 さて、年明けには報告書原稿が締め切られます。今回は2人に任せてしまったので、なんとか報告書誌面には、私なりの調査成果をまとめて発表したいと思います。がんばらねば。

(主任学芸員 松下師一)

2009年8月3日月曜日

2009年度 阿波学会総合学術調査(その2)

   
 今日も、「阿波学会総合学術調査」に参加し、阿波市へ出かけて来ました。
  
 今日の調査内容は、江戸時代の阿波郡勝命村の古文書(検地帳・棟附帳)の現況確認と目録化です。
  
 戦後まもなく刊行された『久勝町史』に、天正時代の太閤検地帳の翻刻が掲載されており、その後の保存状態が気になるところでした。
  
 幸い、少々の痛みはありましたが、無事保存されていることを確認しました(写真)。
  
 貴重な古文書との出会い、それが現地調査の醍醐味ですね。
  
(主任学芸員 松下師一)

2009年8月2日日曜日

2009年度 阿波学会総合学術調査(その1)


 徳島県では、毎年夏に文化系・理科系を問わず多数の学会が合同で、地域を決めて総合学術調査をしています。

 今年度の調査地域は、阿波市の「旧吉野町・旧阿波町」です。(写真)は、7月31日午前に、阿波市土成郷土館で開催された「結団式」のようすです。

 私も「地方史班」の一員として、この地域の古文書調査に取り組んでいます。

(主任学芸員 松下師一)