2011年11月8日火曜日

全史料協大会(前橋市・高崎市)に参加しました【5】


 午前10時から、コース別に分かれて前後半2部制の研修会が始まりました。11時10分までの研修会前半では、Bコース「災害レスキューから見えたこと」(講師:国文学研究資料館准教授・西村慎太郎 氏)を受講しました。



 西村氏(下の写真)は、人間文化研究機構連携研究「大規模災害における資料保存の総合的研究」の代表者を務め、震災から50日余り経過した4月26日から、岩手県釜石市での行政文書レスキューを主導されました。



 現地の市役所職員が避難所対応に専念する中、外部からの応援部隊で資料保存に取り組んだこと。応援部隊から資料を引き継ぐ際に、市役所OBが重要な役割を果たしたこと。といった点が印象深かったです。

 なお、下の写真は、釜石市に隣接する大槌町立図書館の様子です。津波による破壊のすごさがわかります。



 11時20分から始まった後半の研修は、Dコース「歴史的公文書等の調査と整理」(講師:筑波大学准教授・白井哲哉 氏)を受講しました。Dコースは初心者向け入門編の位置づけでしたが、かねて懇意の白井さんの講義なので、初心に帰って真剣にメモをとりました。



 ただ、聞いているうちに、近代の史料に対する考え方(アプローチの仕方)が違うような気がしてきました。時間の都合上、この場では尋ねることができなかったので、また機会があれば白井さんに聞いてみたいと思います。

 さて、研修会場の外では、恒例の書籍展示、グッズ(資料保存専門用品)展示が行われていました。日常業務に役立つ便利情報や、仕事のアイデアが入手できる貴重な機会です。



 昨年に引き続き、ポスターセッションも開催です。



 そして、東日本大震災の史料救済レスキューに携わった各施設が、活動の様子を記録した写真を展示していました。



 午前中の研修会が終わった後は、大会事務局にご用意いただいたお弁当の時間です。久しぶりに会った東大のT氏と、徳島県の地域史の話をしながら(T氏は徳島県立城東高校卒業)、群馬県名産の「鳥めし弁当」をおいしくいただきました。(つづく)

(主任学芸員 松下師一)