2010年11月24日水曜日

全史料協大会(京都市)に参加しました

 
 秋は学会シーズンですね。私は今年も全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の第36回大会に参加しました。今年の大会は京都府立総合資料館が事務局を担当し、京都市の京都府民総合交流プラザ(京都テルサ)を会場に開催されました。



 仕事の都合上、初日だけの日帰り参加となったため、早朝に松茂を出発、なんとか希望する研修会C「公文書管理『新時代』に向けた取組」(講師:内閣官房公文書管理検討室 岡本信一 参事官)に間に合いました。

 公文書管理法の施行に向けたスケジュールや、地方公共団体(都道府県、市町村)の努力義務の実際(なにを、いつまでに、どうするべきか)など、今後の当館の業務を考えるヒントに溢れた1時間でした。



 さて、本年度の全史料協大会の試み、「ポスターセッション」(上の写真)、実によかったですね。ポスターや「壁新聞」?を前に、一生懸命に説明している学生さんや各館の若手職員さんの見ると、私の学生時代の「古文書展・考古展」を思い出しました。何名かの方に、「松下さんの館もやったらどうよ?」と声をかけていただきましたが、今はちょっと余力がないと思います。

 午後は、記念講演です。講師は、1970年代に京都府立総合資料館で「東寺百合文書」(国宝)の受け入れを担当し、その後も整理・調査に従事された上島有先生(摂南大学名誉教授)です。テーマは、東寺百合文書(1997年国宝指定)に関する理論と実践の講演です。

 上島先生が言うところの文書のアーカイブズ情報(「かたち」「かたまり」「かさなり」)について、とてもいいお話でした。国宝・東寺百合文書を事例にして具体的で説得力があり、正直、初心に帰って感動しました。今、淡路島で取り組んでいる資料整理の実務もあって、より一層、古文書整理に対する理念と信念を強くしました。記念講演をご用意くださった京都大会の事務局に感謝を申し上げます(ただ、惜しむらくは、もっと時間が欲しかった)。

 その後、総会となり、この業界を巡る様々な課題が議論されました。



 実に多様な意見が出ました。課題の確認・共有が図れてよかったと思います。



 総会終了後、心残りながら会場を後にしました。職務上の都合により、今年は初日だけの出席です。会場の外は、もうすっかり暗くなっていました。



 松茂行き高速バスが出発するJR京都駅烏丸中央口は、和ろうそくのような京都タワーがすてきでした。

(主任学芸員 松下師一)