2013年8月13日火曜日

オーストラリアの「博物館」探訪記 〔その1〕

  
  7月29日(月)から8月7日(水)までの10日間、松茂町が主催する中学生ホームステイ事業(夢フライト国際交流事業)に随行して、オーストラリアへ出張しました。全行程が教育プログラムになっており、随所でミュージアムや動物園・植物園(日本の法律ならば、博物館に相当する施設)を見学しましたので、そのショートレポートを連載したいと思います。

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  まず第1回のレポートは、飛行機の乗り換えで立ち寄ったオーストラリア北部・ケアンズ市の郊外にある「キュランダ高原列車博物館」です。

 この博物館は、当初から私たちの視察先として予定されていたのではなく、7月30日(火)の朝食会場が同列車フレッシュウォーター駅構内のレストランだったため、食後の空き時間を利用して、レストランに隣接する小さな博物館を見学したというものです。

 レストラン横の小さな小屋が、博物館になっています。

 小さいですが、「ミュージアム(博物館)」という看板は立派です。

 館内に入ると、往時を偲ぶ古い道具類の背景に、立体的な風景画が描かれています。思ったより、教育効果・学習効果を考えた展示手法に驚きました。建物は小さくても、思いのほか魅力的な博物館です。

 額装された解説文には、キュランダ高原列車の歴史が紹介されています。もともは、金鉱石を掘削するための鉱山鉄道として敷設されたようです。

 壁面を埋め尽くす古写真のディスプレイも立派ですし、何より五感に訴える魅力にあふれています。

 谷を跨ぐ大橋梁の模型も、雰囲気がよく出ています。

 何より感心したのが、このジオラマ!

 私は土地勘がないので、このジオラマの緻密さがわかりませんが、その努力の程は伝わります。

 出口へ進むと、駅のホームへ出ました。

 1日1往復、この駅に列車がやって来ます。今は、往年の鉱山列車ではなく、観光用の旅客列車が、はるか山にあるキュランダ駅との間を走ります。

(主任学芸員 松下師一)

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※追伸
 帰国後、この鉄道(キュランダ高原列車)のホームページを見ると、この鉄道を利用した教育プログラム(なんと日本語版もあります!)が用意されていることに気づきました。なるほど、教育的な魅力に溢れた素敵な博物館があるはずです。