2016年8月24日水曜日

「二上り音頭とまわり踊り」を見学してきました。


毎年8月23日は、松茂町中喜来の呑海寺(どんかいじ)で、中喜来二上り音頭保存会による「地蔵盆」の行事(通称「二十三夜)が開催されます。昨日、松茂にやってきてはじめて見学することができましたので、ご紹介します。


お寺の前庭に設けられた櫓の上では、町指定無形民俗文化財「二上り音頭」が演奏されます。
「二上り音頭」は、三味線の二の糸を半音上げて演奏することで、江戸時代に阿波で盛んにおこなわれたいた浄瑠璃(義太夫)と、伊勢から伝来した「伊勢音頭」が融合した民謡です。


歌詞は、浄瑠璃のセリフがそのまま用いる「浄瑠璃くずし」と呼ばれ、「義経千本桜」や「朝顔日記」などが唄われました。


夜8時頃になると、練習が終わった野球少年たちも「まわり踊り」に参加しはじめました。見よう見まねで踊る3歳くらいの子どもたちおり、地元の民俗芸能がしっかり受け継がれているなと感心しました。


県内の吉野川市美郷の「廻り踊り保存会」とも交流しています。交流会の前には、山岳信仰で使用する法螺貝での祈願もおこなわれました。夜中にいきなり法螺貝の音が聞こえてきて、びっくりする人もいたかと思います。


手前の紫色の法被を着ている方々が、美郷の「廻り踊り保存会」の方々です。いつしか、子供から大人まで大勢の踊り手たちが、櫓の周りを回って踊りに興じておりました。

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9月19日には、美郷での交流会が開催されます。またのレポートをご期待ください。


(学芸員 菅野将史)