11月27日(木)・28日(金)の両日、長野県松本市で開催された「歴史文化基本構想研修会」に参加しました。とても充実した研修会だったので、その内容を簡単にレポートします。
我が松茂町から松本市までの移動は、「とくとくターミナル」(高速バス停留所「松茂」)からバスに乗車し、大阪でJRに乗り換えます。新大阪から名古屋までは、新幹線「のぞみ」ですね。
名古屋駅に到着すると、すぐさま中央線の「特急しなの」へ乗り継ぎです。「松茂~大阪」が約2時間半、「新大阪~名古屋」が約50分、「名古屋~松本」が約2時間、乗り換え時間を含めて約6時間の行程です。上の写真は、松本駅のホームに降り立ち、長野へ向かって出発した「特急しなの」の後ろ姿です。
松本駅から市内循環バスに乗り約15分、ようやく松本市の研修会場に到着しました。研修会場は旧制松本高校学校(現・信州大学)の講堂だった建物で、現在は松本市が所有し、「あがたの森文化会館」講堂として市民に利用されています。貴重な近代建築ということで、国の重要文化財にも指定されています。重要文化財の中で、文化庁の研修を受講するという、粋な計らいです。
11月27日(木)午後1時、全国から参集した60余名の受講生前で文化庁の幹部があいさつし、研修が開始されました。市町村に「歴史文化基本構想」の策定を促す歴史的経緯や、先進市町村の事例が説明され、聴き入ってしまいました。特に、兵庫県篠山市の先進事例には「なるほど」と思う点が多く、今後の貴重な参考資料を得ることができたと思います。
さて、重要文化財である講堂には、ひとつ問題がありました。十分な数のトイレがないのです。そこで、隣接する建物のトイレも利用することになりますが、そこは「旧制高校記念館」というミュージアムでした。
トイレのついでに1階の展示をのぞいてみると、旧制松本高校だけを対象にしたミュージアムではなく、全国の旧制高校を対象にしています。私は静岡大学の卒業生なので、その前身である旧制静岡高校も展示されているかなと見学すると、ありました。小説家・吉行淳之介の展示とともに、母校・旧制静岡高校が紹介されています。「そうだ、吉行淳之介は大先輩だった。」と再確認しつつ、講堂に帰って研修を継続しました。〔続く〕
(主任学芸員 松下師一)