2014年12月2日火曜日

「歴史文化基本構想研修会」参加記 〔4〕

  
  昼食会場は、本郷地区の浅間温泉にある日本料理店です。この店は、江戸時代に藩主の別荘(専用の温泉浴場)であった建物を利用しており、まさに「殿様の湯」の気品と風格がある純日本建築です。


  玄関横には、この地の由緒を記した解説板があり、署名を見れば全史料協(全国歴史資料保存利用機関連絡協議会)でお馴染みの小松芳郎さんのお名前が記されていました。


  さあ、美味しい信州蕎麦をいただいたので、演習の再開です。まるで著名なアニメ作品に出てきそうな木造3階建て温泉旅館の横を通り、温泉街のメインストリートへと進みます。


  温泉街の中心に、昭和浪漫を感じさせる商店がありました。まさに市民レベル(庶民)の文化遺産ですね。


  温泉街から、その昔、廃線になった電車の駅跡へ向かいます。広場がきれいに整備されており、「松明(たいまつ)まつり」に使われる大松明が屋外展示されていました。


  屋外演習が終了すると、再び「あがたの森」へタクシーで移動します。旧制松本高校の講堂で、グループ討議・まとめ・プレゼンテーションです。文化庁の調査官が用意したプランを参考に、簡略な「歴史文化基本構想」を作成します。私たちのG班は、不肖私が司会進行して報告内容を取りまとめ、鹿児島県のO氏がパワーポイントに仕上げ、愛知県のS氏が壇上で発表しました。まあ、短時間で急いで仕上げたので粗雑な内容ですが、及第点はいただけたと思っています。ただ、現地調査で同行していただいた野本会長から、人材への言及がなかったことを指摘された時には、自分が議論の方向性をミスリードしたと思いました(反省)。


  とにかく内容盛りだくさんの研修で、2日目(11月28日〔金〕)の終了時刻は17時45分でした(もちろん外は真っ暗です)。

  私は翌日午後に予定があったため、それから急いで帰路につきましたが、松本からその日のうちに徳島まで帰り着くことは不可能で、途中大阪で1泊して、翌日11時すぎに「とくとくターミナル」に戻ってきました。は~、タフでした。〔おしまい〕

(主任学芸員 松下師一)