2011年11月3日木曜日

全史料協大会(前橋市・高崎市)に参加しました【2】

  
 私もそうしているのですが、「裏導線」を案内する際には、資料の受け入れ手順に従って案内するのが一番良いと思います。群馬の岡田次長さんもそうされました。搬入口から、仮置き場、燻蒸庫、史料整理室、収蔵庫(書庫)へと、見学は進みます。

 ところで、見学中、私が感心したのは、各所に置いてある温湿度計です。ついつい空調機任せになりがちですが、群馬県立文書館では搬入口・仮置き場なども含めて、あらゆる所に温湿度計があり、職員の目に触れる仕掛けができていました。ぜひ松茂の資料館でも、この仕掛けを導入したいと思います。



 減圧式の燻蒸庫です。文字史料を扱うには、これぐらいのサイズが最適でしょう。



 もう一つ感心したのは、スタッフ全員、白衣であることです。確かに埃まみれの史料を扱うことから、実用面も有効なのですが、なにより学術機関・研究機関として、アカデミックな気風が生まれますよね。すばらしい。



 そして収蔵庫(書庫)です。群馬県立文書館は、『群馬県史』編さん室の系譜を引くため、古文書類の書庫に始まり、途中、公文書受け入れのために大増築したとのことです。そのため、書庫は本館と増築部分、10数室に分かれており、ちょっと複雑な配置になっています。

 まずは、明治以降の群馬県庁の行政文書を収蔵した書庫ですね。



 この書庫に収められた「群馬県行政文書」(下の写真)は、2010年7月に国の重要文化財に指定されています。全国の役所で日々、次々と起案・決裁される公文書は、将来、歴史的・学術的に貴重な文化財になるかも知れませんね。公文書の公共財・文化財としての一面を、再確認しておきたいと思います。



 別の書庫に移動しました(下の写真)。この書庫は集密書架では無く、固定式の書架になっています。前近代の古文書を収めた書庫です。

 古文書は、中性紙段ボールを使用した特注の箱に納められています。書棚の高さを考慮した、背の低い箱で、各段に2つ重ねて置かれています。ちなみに、松茂町歴史民俗資料館の古文書収納箱は、同様に棚の高さを基準としましたが、背の高い設計で、格段に1つです。



 見学した書庫の最後は、「紙焼き本」の書庫です(下の写真)。たぶん「紙焼き本」は業界用語なので解説すると、古文書などを撮影したマイクロフィルムを紙状の印画紙(かつての三菱CH印画紙など)に現像し、それを上製本したものです。

 B5判横綴じ上製本の冊子が、ずらりと並ぶ書架は壮観で、何度見ても感動します。ちなみに、背のクロスの色(青・黄・緑)は、被写体となっている古文書の時代によって区別されています。



 松茂町歴史民俗資料館にも、古文書・古記録を撮影したマイクロフィルムやデジタル媒体はたくさんあります。それを単に所蔵するのでは無く、有効活用するためにも、「紙焼き本」を揃えていく必要があると思いました。(つづく)

(主任学芸員 松下師一)

  

全史料協大会(前橋市・高崎市)に参加しました【1】

  
 今年も全国歴史資料保存利用機関(略称「全史料協」)全国大会に出席するため、10月26日(水)・27日(木)の両日、群馬県へ出張しました。

 東京駅、上越・長野新幹線への乗車は初体験です。



 2階建て新幹線の「MAXたにがわ」に乗り、高崎駅で両毛線へ乗り換えて、無事、前橋駅に到着。そこからタクシーで10分ほどで、視察会場の「群馬県立文書館」へ着きました。文書館は「前橋市文京町」という、文字通り閑静な住宅街に立地していました。



 幸い、到着直後に知人(一応、静大の後輩)を発見したので、文書館を背景にシャッターを押してもらいました。



 すでに館内には、全国から視察を希望する大会参加者が続々と集まっていました。玄関横の小さな展示室では、文書館(公文書館)の役割や社会的意義を解説する展示を開催中で、時間待ちの視察者が見学中です。




 予定の午後2時になると、3階の研修室へ移動です。



 約50名ほどの視察者を対象に、館長さんと岡田次長さん(写真)が、群馬県の史料保存活動の経緯と、県立文書館運営の概要をお話しなされました。



 そして、館内施設の見学のため、3班に分かれて移動です。



 一緒になった大分県立先哲史料館の館長さんと意見を交わしながら、いわゆる「裏導線」を見学しました。(つづく)

(主任学芸員 松下師一)

  

2011年10月10日月曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(9)

  
◇読ませる町誌 -続編第三巻-◇

 いずこの「市町村誌」も、編集形態が類型化しほぼ似通っている。

 これは、あらゆる分野の事実を網羅し、しかもそれらをある程度決まった順序で記録しなければならないだけにやむを得ないものがあり、『松茂町誌』の既刊誌も同じようなパターンで記述されている。

 ところが、今回発行の「続編第三巻」は、その編集に相当な工夫が見られ、「読ませる町誌」に変容していることに気づく。

 本年が町制施行50周年に当たることもあって、先ず冒頭に、特集「地域小史-50年のあゆみ-」を掲載している。12地域の略史と、住民18名の方々のインタビュー記事で、地域史をより身近に感じさせているのが印象深い。ややもすれば、この種の書冊は堅苦しく近寄りがたいイメージがあるものだが、各所に100に余るコラムを配するなど、その雰囲気を和らげ町民のものにしている。まさに編集の“妙”であろう。

 B5判、889ページに及ぶ大全だけに、文庫本や新書本のように持ち歩き読みは困難ではあるが、各家庭に1冊は将来に遺す財産として備え、時に応じて開いて欲しい「松茂百科全書」である。

(「松茂を短歌で遺す会」創立者/元・松茂町文化財保護審議会委員 小山美明)

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2011年10月2日日曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(8)


◇写真撮影の思い出◇
  
 今回の編さん作業では、色んな作業をお手伝いさせていただきました。その中でも、「古い資料のデータ化(スキャン)」や「写真撮影」では、主担当をさせていただきました。

 「古い資料のデータ化」は、ひたすら「資料をスキャンしてはパソコンへ取り込む」といった作業のくり返しで、ちょっと話題が少ないです。その点、思い出深いのは「写真撮影」ですね。思い出のエピソードを、少々ご披露します。

 良いアングルを探しやすく、何処でもすぐ止まれるというので、歴史民俗資料館のママチャリ自転車にでっかいカメラバッグを載せて、町内を文字通り東奔西走しました。地図で見るとかなり小さな我が松茂町ですが、長岸から長原まで一気に自転車で走ったりすると、平地ばかりとは言え、かなり大変でした。

 「先祖代々、生まれも、育ちも、現住所も、松茂町」という自分でさえ、まだ行ったことが無かった場所は多く、撮影で初めて足を踏み入れた場所も沢山ありました。

 また、「おそらく『町誌』編さん業務が無ければ、一生この場所には来なかったんじゃないだろうか?」と思うような地点にも、撮影に向かいました。たとえば、本誌348頁上段の「松茂町第二環境センター全景」の撮影ポイントなどは、道はあれども気軽にドライブ気分で行くと、戻るのに大変に難儀しそうなポイントでした…。(気になる方は是非、本誌でご確認のうえ、地点を予想してみて下さい。)

 各紙面の内容や話題に合わせたシーンの撮影時には、町内外、たくさんの方にご協力いただきました。

 突然に「畑作業を撮影させて頂いても良いでしょうか?」と現れた私は、さぞや怪しい不審人物だったかと思いますが、皆さんとても快く了解して下さいました。その節は本当にありがとうございました!

 建物・風景・イベント・人物…etc…。 デジタルカメラの利点を生かし、数え切れないほどたくさんの枚数を撮らせて頂きましたが、紙面が有限である都合上、今回の町誌には掲載できなかった写真が多数あります。掲載できなかった写真も、松茂町歴史民俗資料館に、“今・現在の歴史”を記録した写真資料として、末永く保管させていただきます。

 今回の続編第三巻には、「地域小史」と題した巻頭特集があり、昔の様子が分かる写真を多数掲載しました。

 誌面の都合で掲載できなかった写真も、もしかしたら…出番はもうちょっとだけ、先の未来に用意されるかもしれません。だから、どうぞ気長にお待ちいただけると幸いです。

(前・町誌編さん事務補佐員/現・歴史民俗資料調査指導員 冨士久美子)

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2011年9月2日金曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(7)

    
◇松茂町を知る「行政図書」として活用を◇

 平成22年春、松茂町役場の定年退職とともに、重要な町誌編さん事業に関わることになった。今は仕事も無事に終えて、ほっとしている。

 松茂町といえば空港の町である。徳島空港の滑走路が2,000メートルに延長される経緯については、『松茂町誌』続編と続編第二巻に掲載されている。今回の続編第三巻では、現在の社会状況から考えて、最後の滑走路延長と考えられる2,500mへの延長と、それに伴う「徳島空港周辺整備事業」の経緯を掲載することができた。

 また、本書には、陸上自衛隊第14飛行隊の配備の経緯についても掲載している。徳島空港拡張整備事業はもちろん、徳島空港の歴史、また航空機やヘリコプターに関心がある方は、ぜひあわせてご一読いただきたい。

 『松茂町誌』は今回の発刊で通算6巻目となる。私も役場在職中には、仕事の関係で折に触れ『松茂町誌』各巻を何度も利用させてもらった。松茂町の過去の出来事や行政関係資料など、いろんなことを調べるのに貴重な図書であった。

 『松茂町誌』続編第三巻には、平成11年度から20年度までの町の歩みと行政関係資料が掲載されている。松茂町役場の職員はもとより、町政に関心のある大勢の方に、ぜひ「行政図書」としても活用してもらいたい。

(前町誌編さん副主任 川口重夫)

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2011年8月14日日曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(6)

 
◇『松茂町誌』の活用法(夏休み宿題編)◇

 楽しい楽しい夏休み! 花火大会、阿波踊り、プールに旅行など。

 しかし、ふと気がつけば夏休みも後半戦。前にたちはだかる大きな山。
それは、手つかずの宿題(特に自由研究はたいへんです!?)。

 大人なら誰しもそんな苦い思い出があるはず…。

 ところが、“『松茂町誌』続編第三巻で夏休みの宿題がOK!”と、あっという間に宿題が終わる『町誌』活用法があります。
(まるでどこかのTVコマーシャルのようですが、ご安心ください。先着順でもなく、人数制限もいっさいありません。ただ、さすがに読書感想文をあっという間に終わらすことは無理ですが…。)

 では、やってみましょう。
  1. まず、『松茂町誌』続編第三巻を手に取る。
    (購入する場合は松茂町歴史民俗資料館へ、借りる場合は近くの図書館へどうぞ。)

  2. 本の中で気になるページを探す。

  3. テーマを決める。

  4. 出来れば、『松茂町誌』続編第二巻と読み比べる。

  5. 自分の感想や意見をまとめる。

  6. 提出用紙に書く。最後に「参考資料:『松茂町誌』続編第三巻」と記入する。
 もう、これで出来上がりです。
(さらに上級を目指すなら、『町誌』に載っている表やグラフを書き入れたり、関係者に話を聞いたり、テーマに沿った写真を撮影したりして、内容を膨らませましょう。)

 さあ安心して、新学期を迎えてください。
(なお、忘れたころに賞状や賞品が届く場合があります。でもそれは『町誌』のおかげでは無く、あなたの実力です。おめでとうございます。)

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 『松茂町誌』続編第三巻は豊富な資料と、楽しい話題・知識が満載です。夏休みの宿題(自由研究)にはもちろん、「総合学習」や班別の研究活動にも利用できますので、ぜひとも学校教育や生涯学習の参考図書としてご活用ください。町誌編さんスタッフ一同、1度でも多く、1人でも多くの方が、『松茂町誌』を手にとって下さることを念願しております。

(前・町誌編さん副主任 浜田美樹)

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2011年8月11日木曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(5)

  
◇多様な情報の宝庫としての『町誌』◇

 県外出身で、かつ町外在住。そんな人間が、縁あって『町誌』の編さん作業に携わらせていただくことになりました。

 それ以前の、私の松茂町に対する知識といえば、
  • とくとくターミナル(高速バス発着場)がある

  • 徳島空港がある

  • 立派な町立資料館がある(これを外すわけにはいきません(笑))
 せいぜいこの程度。なんともたよりない状態での出発でしたが、仕事は人を変えます!

 編さん作業の過程で、教育、福祉、各種産業、交通、自然などなど、あらゆる角度からみた松茂町が、私の中に蓄積されていきました。

 もし「松茂町ウルトラクイズ」が開催されることがあれば、今なら上位入賞まちがいなし。自信あります!

 また、松茂町を深く知ることで、松茂町のみならず、人々の暮らしの母体である「まち」という有機体が、どのようにして成り立っているのか、そのあらましについて理解することもできました。

 松茂町にゆかりのある方はもちろんのこと、そうでない方もぜひ一度ご覧になってみてください。『町誌』に詰められた一見ミクロな記録の集積に触れることにより、マクロで多角的な新しい視界が、あなたの前に広がってくるはずです。

 
(前・町誌編さん事務補佐員/現・文化観光調査指導員 小西利枝)

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