2016年11月18日金曜日

歴史民俗資料館等専門職員研修会参加中です。


11月14日(月)〜18日(金)まで、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館で文化庁主催の「歴史民俗資料館等職員研修会」に参加しています。

資料館に帰ってからゆっくりとブログを更新しようかと思っておりましたが、ネット環境が整ったので、現地から更新します。

最終日の今日は「保存科学分野」と「保存環境分野」の講義後、課題討論を行います。
研修の詳細については、また時間を見つけて紹介していきたいと思います。


(学芸員 菅野将史)

2016年8月24日水曜日

博物館実習(4・5日目)


博物館実習も後半戦に突入しました。
後半の2日間は、学芸員の仕事の中心でもある展示実習を中心におこないました。


今回の模擬展示のテーマは「はこぶ」です。展示をするにあたり、まずはグループワークで企画会議を開催しました。そこでは、企画展の趣旨や展示資料の選定、展示ケースの配置などを決定していきます。

実習生達が一番悩んでいたものが“展示の名前”です。企画展・特別展の名前を決めるのは一番苦労するところであります。

なんとか展示が完成しました。実習生の考えたテーマは、“はこぶ”=“季節をはこぶ”という視点でむかし使われていた道具を四季にあわせて展示しました。今回は、スペースの都合で“夏”と“冬”のコーナを展示してもらいました。


テーマの“季節をはこぶ”という発想がなかったので、私自身感心し勉強させてもらうことができました。今後の展示の参考にぜひさせてもらいたいと思います。

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最終日(5日目)の午後には、町内にある三木文庫さんにご協力いただき実習をさせていただきました。


展示されている資料を梱包し段ボールに詰める作業をしている実習生です。藍染めで使用する染料をいれていた壷を丁寧に梱包しております。



こちらの実習生は、藍染めで使用する大型の道具のほこり払いや点検作業をおこなっております。木製のものが多く、虫による食害などの恐れもあるため、こまめな掃除が重要となってきます。

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今回の実習では、資料館の学芸員としての業務と文化財行政としての業務、それぞれの視点から実習をおこないました。実習で学んだことを少しでも活かしてもらうとともに、ひとりでも多くの実習生が学芸員を目指し、今後も文化財の保護などの活動に取り組んでもらえることを願います。

(学芸員 菅野将史)

「二上り音頭とまわり踊り」を見学してきました。


毎年8月23日は、松茂町中喜来の呑海寺(どんかいじ)で、中喜来二上り音頭保存会による「地蔵盆」の行事(通称「二十三夜)が開催されます。昨日、松茂にやってきてはじめて見学することができましたので、ご紹介します。


お寺の前庭に設けられた櫓の上では、町指定無形民俗文化財「二上り音頭」が演奏されます。
「二上り音頭」は、三味線の二の糸を半音上げて演奏することで、江戸時代に阿波で盛んにおこなわれたいた浄瑠璃(義太夫)と、伊勢から伝来した「伊勢音頭」が融合した民謡です。


歌詞は、浄瑠璃のセリフがそのまま用いる「浄瑠璃くずし」と呼ばれ、「義経千本桜」や「朝顔日記」などが唄われました。


夜8時頃になると、練習が終わった野球少年たちも「まわり踊り」に参加しはじめました。見よう見まねで踊る3歳くらいの子どもたちおり、地元の民俗芸能がしっかり受け継がれているなと感心しました。


県内の吉野川市美郷の「廻り踊り保存会」とも交流しています。交流会の前には、山岳信仰で使用する法螺貝での祈願もおこなわれました。夜中にいきなり法螺貝の音が聞こえてきて、びっくりする人もいたかと思います。


手前の紫色の法被を着ている方々が、美郷の「廻り踊り保存会」の方々です。いつしか、子供から大人まで大勢の踊り手たちが、櫓の周りを回って踊りに興じておりました。

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9月19日には、美郷での交流会が開催されます。またのレポートをご期待ください。


(学芸員 菅野将史)

2016年8月20日土曜日

博物館実習(3日目)

博物館実習も3日目をむかえました。
今日は毎月第3土曜日におこなっている、人形浄瑠璃の定期公演の日です。

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午前中は、定期公演の特設舞台の準備をするまでの間、館内に設置している害虫トラップの交換作業をおこないました。


交換用のトラップを組み立てる作業です。 そして、いよいよ館内のトラップの回収作業開始です。


資料に悪影響を及ぼす害虫がかかっていないか恐る恐る確認しながら回収します。最終的に、回収したトラップの中身を確認後、専門の業者へ依頼しどのような虫がいたかを判定してもらいます。

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トラップ作業終了後は、今日のメインイベントである人形浄瑠璃芝居定期公演の会場設営です。


文化財展示室内に特設舞台を設置していきます。背景幕の設置では、慣れない作業のためか幕を広げるのも大変そうです。職員の指導のもと、なんとか背景幕を張ることができました。


そして、14時から地元松茂で活躍する「ふれあい座」による定期公演の上演です。せっかくの機会ですので、実習生達にも鑑賞してもらいました。

(学芸員 菅野将史)

2016年8月19日金曜日

博物館実習(2日目)


実習2日目は、まず「埋蔵文化財包蔵地」の立ち会いに行ってきました。資料館では、主に文化財行政も担当しています。


「包蔵地」とは、石器や土器などの遺物が出土したり、住居跡・古墳などの遺跡が埋まっている可能性のある土地のことをいいます。なお、松茂には2か所包蔵地に指定されている場所があります。


つづいて、「夏休みこども陶芸教室」です。今日の工程は、子どもたちが作った作品に釉薬で色をつける作業でした。実習生には、釉薬の準備や子どもたちの補助をしてもらいました。


最後に、「藍甕の手入れ」です。藍染めで使用する藍は生き物であるため、その管理は大変です。それぞれの甕を一生懸命混ぜてもらいました。

その姿をみて、私が行った博物館実習先でも藍甕の手入れをした時のことを思い出しました。

(学芸員 菅野将史)


2016年8月18日木曜日

博物館実習(1日目)


8月18日~24日まで、四国大学の学生4名が博物館実習をおこないました。その実習内容を紹介していきます。




午前中は、展示室や収蔵庫などの施設見学をおこないました。普段は見学することができない収蔵庫の環境や設備を学ぶことも大事な実習の一環です。


午後は、10月下旬から開催する町民コレクション展第2弾「原田鉄行氏遺作展-追憶-」で展示する作品の搬入と点検作業をおこないました。


この彫刻は、展示する作品の一部です。借用資料の状態や寸法を測り、調書を作成する業務も学んでもらいました。

(学芸員 菅野将史)



2016年7月7日木曜日

コウノトリがやってきた!~國見清章氏ミニ写真展~


資料館では、地域の方との「協働」をテーマに企画展を開催しております。
今年度、第1弾として「コウノトリがやってきた!~國見清章氏ミニ写真展」を開催中です。

会 期:前期 平成28年7月5日(火)~8月7日(日)
     後期 平成28年8月9日(火)~9月4日(日)
    (前期・後期で作品の入れ替えをおこないます)



初日には、國見さんご夫妻にお客様第1号としてご来館いただきました。


写真を見ながら、はじめて飛来した時の様子や撮影時の思い出などを、資料館職員に熱心に話しておりました。


普段なかなか見ることができない、コウノトリがカエルを丸呑みにしている瞬間をとらえた作品も展示されていますので、ぜひご来館ください。

(学芸員 菅野将史)

2016年6月25日土曜日

【定期公演】外舞台にて上演


資料館では、毎月第3土曜日に人形浄瑠璃芝居の定期公演を開催しております。

今月18日に開催した定期公演では、昨年の「人形劇フェスティバル お月見公演」以来となる、外舞台での上演をさせていただきました。


当日、「ふれあい座」にもお知らせしたため、びっくりしておりましたが喜んで演じておりました。


当日お越しいただいたお客様も、普段とは違った雰囲気の中、芝居を楽しく観劇されていました。

来月以降の定期公演でも、天気や気温次第によって外舞台での上演を計画していきたいと思います。

いつ外舞台で観劇できるチャンスが訪れるか分かりません。
みなさま、外舞台で観劇するためにも、毎月の定期公演にお誘い合わせの上、ご来場ください。

(学芸員 菅野 将史)

【ご案内】夏期阿波人形浄瑠璃大会


平成28年7月23日(土)~24日(日)に、「夏期阿波人形浄瑠璃大会vol.71」があわぎんホール(郷土文化会館)1階大ホールにて開催されます。

 


本大会に、人形浄瑠璃「ふれあい座」が出演します。入場無料となっておりますので、みなさまお誘い合わせの上、ご観劇の程よろしくお願いします。


「ふれあい座」の出演時間・演目は、以下のとおりです。
○7月24日(日)13時40分~ 
 「壷坂観音霊験記 沢市内の段」(大夫:江本小隅、三味線:竹本友和嘉)

○  同  日  14時10分~
「壷坂観音霊験記 壷坂寺の段」(大夫:佐々木なるみ、三味線:竹本友和嘉)



【あわぎんホールについて】
住  所:徳島市藍場町2-14
電  話:088-622-8121

(学芸員 菅野 将史)

2016年5月22日日曜日

【ご案内】ふれあい座 拝宮農村舞台公演出演



来週5月29日(日)、人形浄瑠璃「ふれあい座」が、「第13回 拝宮(はいぎゅう)農村舞台公演 杜のレストラン」に出演します。




「ふれあい座」は、12時50分から人形浄瑠璃芝居「壷坂観音霊験記 沢市内の段」(太夫:吉本藍玉、三味線:竹本友和嘉)を上演します。

入場無料となっておりますので、食事や喫茶とともに、人形浄瑠璃芝居や音楽パフォーマンスを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【拝宮農村舞台について】
江戸時代後期の建築と推定される県内でもっとも古い舞台のひとつ。平成3年6月に旧上那賀町(現:那賀町)の有形民俗文化財に指定されている。
所在地:那賀郡那賀町拝宮字白人谷1 白人神社境内

(学芸員 菅野将史)



定期公演大盛況の御礼


昨日(平成28年5月21日)は、人形浄瑠璃「ふれあい座」の定期公演を開催しました。

3組の団体様の事前予約があったほか、当日来館されたお客様も多かったため、大入り満員での公演となりました。



木偶人形「お七さん」を展示しているケースを動かし、客席を増設するなどのハプニングもあり、職員からは嬉しい悲鳴があがっておりました。


当日は、国際博物館の日記念事業の一環として、人形浄瑠璃芝居を観劇された方に記念品の配布も行いました。

記念品(缶バッジ・マグネット)
公演後には、多くのお客様が人形一座の役者(人形遣い)とともに記念撮影をされ、定期公演は大盛況でした。

(学芸員 菅野将史)

2016年4月19日火曜日

漆喰画「野鳥」展 見学記


4月17日、キョーエイ鳴門駅前展4階ギャラリーで開催中の、「漆喰画「野鳥」展―左官職人 春藤嘉雄(松茂)作―」(平成28年4月15日~20日)を見学してきました。



昨年度、資料館で特別企画「春藤嘉雄氏 漆喰絵画展」(平成27年10月6日~31日)を開催し、春藤さんには大変お世話になりました。(http://joruriblog.blogspot.jp/2015/10/blog-post.html

今回の作品展では、資料館での特別企画展の後に作成された新作も披露され、40点ほどが展示されていました。



希望者を募り「漆喰絵画教室」の開催し、後継者の育成も計画されているようです。今後のさらなるご活躍を期待しております。

(学芸員 菅野将史)

2016年3月2日水曜日

特別企画碧原徳人氏コレクション展


 今年度(平成27年度)、資料館では、防衛省の「特定防衛施設周辺整備調整交付金」の交付を受け、地域の人材を活かした文化事業の充実を図っています。その一環として、3月1日から、特別企画「碧原徳人氏コレクション展 ~昭和を彩るアイドルたち~」を開催中です。
 ここでは、その様子を紹介します。


 今回の特別企画は、地元松茂在住のペンネーム・碧原徳人氏が収集した、1980年代を中心に活躍したアイドルのグッズやポスター、当時発売された芸能情報雑誌などを展示しています。

「昭和」を見てきた方も、「昭和」を知らない方も、ちょっと懐かしい時代「昭和」をお楽しみ下さい。

 展示期間は、平成28年(2016)4月10日(日)まで、ぜひご覧ください。(観覧無料)


(学芸員 菅野 将史)

2016年1月17日日曜日

「ふれあい座」出前公演(喜来小学校)


1月12日、人形浄瑠璃「ふれあい座」が、喜来小学校へ出前公演に行ってきました。
小学3年生・4年生の前で、「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を披露しました。


人形浄瑠璃芝居を初めて観る子どもが多く、人形遣いが操る“おゆみ”と“おつる”の掛け合いに興味津々です。


公演後には、「ふれあい座」の指導のもと人形操り体験会や口上の練習を行いました。生徒達は、人形を操る楽しさや難しさを実感していました。


歴史民俗資料館では、毎月第3土曜日に人形浄瑠璃芝居の定期公演を開催しています。本年も、人形浄瑠璃「ふれあい座」の活躍をご期待下さい。

(学芸員 菅野 将史)