2011年8月14日日曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(6)

 
◇『松茂町誌』の活用法(夏休み宿題編)◇

 楽しい楽しい夏休み! 花火大会、阿波踊り、プールに旅行など。

 しかし、ふと気がつけば夏休みも後半戦。前にたちはだかる大きな山。
それは、手つかずの宿題(特に自由研究はたいへんです!?)。

 大人なら誰しもそんな苦い思い出があるはず…。

 ところが、“『松茂町誌』続編第三巻で夏休みの宿題がOK!”と、あっという間に宿題が終わる『町誌』活用法があります。
(まるでどこかのTVコマーシャルのようですが、ご安心ください。先着順でもなく、人数制限もいっさいありません。ただ、さすがに読書感想文をあっという間に終わらすことは無理ですが…。)

 では、やってみましょう。
  1. まず、『松茂町誌』続編第三巻を手に取る。
    (購入する場合は松茂町歴史民俗資料館へ、借りる場合は近くの図書館へどうぞ。)

  2. 本の中で気になるページを探す。

  3. テーマを決める。

  4. 出来れば、『松茂町誌』続編第二巻と読み比べる。

  5. 自分の感想や意見をまとめる。

  6. 提出用紙に書く。最後に「参考資料:『松茂町誌』続編第三巻」と記入する。
 もう、これで出来上がりです。
(さらに上級を目指すなら、『町誌』に載っている表やグラフを書き入れたり、関係者に話を聞いたり、テーマに沿った写真を撮影したりして、内容を膨らませましょう。)

 さあ安心して、新学期を迎えてください。
(なお、忘れたころに賞状や賞品が届く場合があります。でもそれは『町誌』のおかげでは無く、あなたの実力です。おめでとうございます。)

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 『松茂町誌』続編第三巻は豊富な資料と、楽しい話題・知識が満載です。夏休みの宿題(自由研究)にはもちろん、「総合学習」や班別の研究活動にも利用できますので、ぜひとも学校教育や生涯学習の参考図書としてご活用ください。町誌編さんスタッフ一同、1度でも多く、1人でも多くの方が、『松茂町誌』を手にとって下さることを念願しております。

(前・町誌編さん副主任 浜田美樹)

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2011年8月11日木曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(5)

  
◇多様な情報の宝庫としての『町誌』◇

 県外出身で、かつ町外在住。そんな人間が、縁あって『町誌』の編さん作業に携わらせていただくことになりました。

 それ以前の、私の松茂町に対する知識といえば、
  • とくとくターミナル(高速バス発着場)がある

  • 徳島空港がある

  • 立派な町立資料館がある(これを外すわけにはいきません(笑))
 せいぜいこの程度。なんともたよりない状態での出発でしたが、仕事は人を変えます!

 編さん作業の過程で、教育、福祉、各種産業、交通、自然などなど、あらゆる角度からみた松茂町が、私の中に蓄積されていきました。

 もし「松茂町ウルトラクイズ」が開催されることがあれば、今なら上位入賞まちがいなし。自信あります!

 また、松茂町を深く知ることで、松茂町のみならず、人々の暮らしの母体である「まち」という有機体が、どのようにして成り立っているのか、そのあらましについて理解することもできました。

 松茂町にゆかりのある方はもちろんのこと、そうでない方もぜひ一度ご覧になってみてください。『町誌』に詰められた一見ミクロな記録の集積に触れることにより、マクロで多角的な新しい視界が、あなたの前に広がってくるはずです。

 
(前・町誌編さん事務補佐員/現・文化観光調査指導員 小西利枝)

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2011年8月8日月曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(4)

 
☆カラーグラビアについて〔下〕 ~写真と吟行の「浪漫」・第6章~☆

 第6章(福祉)のカラーグラビアでは、福祉施設の紹介に「浪漫」を加えてみた。

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 松茂町は福祉の町でもある。個人の尊厳の保持を旨としながら、人が皆、その有する能力に応じて自立した日常生活が送れることを期して、福祉行政が行われている。

 その福祉行政を担う諸施設が集中している路地(松茂町民グラウンドの外周路)へ、桜満開のある日、吟行を試みた。句作は笹田博之である。

   ◇福祉施設ゾーンへアプローチ
花映す一直線の用水路

   ◇地域子育て支援センター
花影に幼がまろき砂団子

   ◇松茂町保健相談センター
メタボ腹幸せ溜めて日向ぼこ

   ◇松茂町中央児童館
らんまんの桜子を待つ児童館

   ◇福祉作業所どんどこどん
それぞれの花美しき四月かな

   ◇老人福祉センター松鶴苑
風光る凛と生きたや老いてなほ

 花美しいカラー写真と、拙句の妙が、第6章のカラーグラビアに表現されている。ぜひご鑑賞・ご一読を願いたい。

(前・編さん主任 笹田 博之)

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2011年8月7日日曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(3)

 
☆カラーグラビアについて〔上〕 ~カラフルな特集記事・第4章~☆

 本誌編集上の工夫の一つ。各章の冒頭に、その章の記事に関係があり、しかも大方の興味を引く(あるいは、引きそうな)事柄を採り上げたグラビアページを設けている。

 産業について解説した第4章では、農業関係から「松茂美人」、商業関係から「月見が咲き」、工業関係から「三洋電機徳島工場の電池」を紹介した。

 「松茂美人」は、松茂特産の甘藷の商品名である。平成3年にJA松茂がブランド戦略の嚆矢(こうし)として導入した。良質な天然の甘藷苗に、バイオテクノロジーによって培養された甘藷苗(通称「メリクローン株」)を一定割合加え、安定した品質の苗から育った甘藷は、砂畑に植え付けられて約100日、「松茂美人」は色よく、形よく、そして何より、味よく成長する。掘り出されたあとは、化粧箱に詰められ、「箱入り娘」よろしく全国の市場へ運ばれていく。

 きんときかん「月見が咲き」は、松茂町商工会(松茂町広島)が、特産品開発推進事業として実践した「さつまいもを羊羹に」という取り組みの成果である。地元を中心に販路も広がり、好評である。

 三洋電機は、いわずも知れた大手電機メーカーであるが、その徳島工場(松茂町豊久)が世界有数の小型2次電池の製造・開発拠点であることはあまり知られていない。ここでは、同工場の主力事業である「リチウムイオン電池」について紹介する。

(前・編さん主任 笹田 博之)

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2011年8月5日金曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(2)

 
☆巻頭特集「地域小史」~50年の歩み~について☆

本誌は『続編(第一巻)』以後、直近10年間の歴史を採り上げることを慣例としており、今回も平成11年度から同20年度までを採り上げている。しかしながら、本誌は「松茂町制施行50周年記念事業」の一環として刊行されることから、巻頭に、地域の「50年史」を特集することとした。

 この50年間は大変革の時代であり、世界史の視点から観ても、人類5000年の継続的発展を一挙に超えて、新しい文明を創出したほどの特別な「時代」である。これは個人的な見解ではあるが、決して過言ではないと信じる。東西対立の解消、石油エネルギーと原子力エネルギーの活用、輸送の大量・高速化、車社会、人類の宇宙への進出、テレビと携帯電話の普及、生体移植、等々の状況が出現した。

 このような状況の中で、日本もわが松茂町も大きく変貌・発展した。その状況を地域ごとに、鳥瞰的風景、土地利用、人口、産業構造、人事、特色ある出来事、住民感情などに即して考察したのが、町内12地域の「50年史」、=(イコール)「地域小史」である。

 「地域小史」を編さんするにあたって、オーラルヒストリーの手法による取材(インタビュー取材)は極めて有効であった。当事者の証言には説得力があり、多くの示唆に富んでいた。その一部は、特集中に「いんたびゅー」として掲載してある。

(前・町誌編さん主任 笹田博之)

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2011年8月4日木曜日

『町誌』続編第三巻の見どころ・読みどころ(1)

 
☆『町誌』編纂の指標、「浪漫」について☆

  人間はいつも、より真実なるもの、より善なるもの、より美しいもの、聖なるものを求めて生きている。この人間の偉大な理想(自由、博愛、幸福、情熱、歓喜など)に対する熱い憧憬(という感性)が創り出す豊かな営みを「ロマンティシズム」といい、「浪漫」と漢字表現する。

  私は、『松茂町誌』編さんの指標を定めるに当たり、「正確」「公正」に、敢えて「浪漫」を加えて三訓とした。

 ともすれば堅苦しくなりがちな自治体史をして、読者の心を温かくし、松茂町の未来に明るい希望を抱かせる読み物にしたかったからである。


  • 「空と海が輝く緑の臨空都市」というまちづくりのイメージ。

  • ベトナムに学校を寄贈しようボランティア活動。

  • 子どもの未来にかける夢多い教育政策。

  • 特産の甘藷に「松茂美人」のネーミング

 等々、大事から小事にわたって、松茂町には「浪漫」があふれている。

(前・町誌編さん主任 笹田博之)

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桑名市立桑部小学校の美雨さんと遙香さんへ

 
 先月(7月)中旬、三重県桑名市の桑部小学校から松茂町役場に、とてもかわいらしい封筒が届きました。5年A組の美雨さんと遙香さんからの質問です。社会科の授業で習った「松茂町の地形」や「暮らし」に関する疑問が書いてありました。

 町役場の関係者で相談した結果、この質問に私たち歴史民俗資料館のスタッフが回答することになりました。今、回答の手紙を書いているので、楽しみに待っていてください。

 ちなみに、このホームページ「水とたたかう松茂の人々」の内容は、お手紙の答えに近いものがあると思います。ぜひご覧になってくださいね。

(主任学芸員 松下師一)