シンポジウムの翌日(5日・日曜日)は、飛行機の時間まで何も予定を決めていませんでした。飛行機で出かける場合、不思議なもので日帰りで往復するよりも、宿泊とパックで往復航空券を買った方が安くなるのです。シンポの後の懇親会にも出たかったので、特に翌日の予定はなかったのですが、1泊しました。
幸い、懇親会の席で関東部会のKさんが平和記念展示資料館(新宿住友ビル48階)に転職したと聞き、パンフレットも頂戴しましたので、5日の午前中、さっそく見学してきました。
わが松茂町には戦時中、旧海軍航空隊の基地(神風特別攻撃隊の基地)があり、戦史にも深い関わりがありますから、よい機会です。
電車で新宿駅まで移動。てくてく地下街を歩き始めましたが、なかなか着きません。悲しいかな通りを1本間違えました。地上に出ると、東京都庁でした。
都庁第1本庁舎から都議会議事堂をはさんで隣が、目指す新宿住友ビルです。
新宿住友ビル48階へあがると、エレベータホールから中庭ガラス窓の向こう側に「平和記念展示資料館」の表示を見つけました。
残念ながら「館内撮影不可」ということなので写真を掲載できませんが、かなり丁寧なつくりのジオラマが目を引きました。もちろん、実物資料(その多くは遺品)は心を打ちました。そんなに広くない展示室ですが、ほぼ1時間ほど見学しまた(展示の主な内容はホームページで見ることができます)。
順路の最後には視聴覚のコーナー(ビデオライブラリー)もあり、松茂町ゆかりの展示を見つけました。旧海軍徳島航空基地(神風特攻隊の基地/戦時中、松茂の面積の半分近くは航空基地に占有されていた)に所属していた西村晃さんの回顧録(朗読テープ)です。特攻の直前に記した遺書の朗読でしたが、幸い西村さん自身は出撃中止になり、戦後、俳優(例えば2代目水戸黄門など)として活躍されました。
ところで、道中、1本通りを間違えて都議会議事堂の前を通ったとき、素敵なモニュメントを見つけました。
「東京都民平和アピール 平成7年」と記してありました。
(続く)
(主任学芸員 松下師一)