やれやれ、8月の阿波学会調査(旧・一宇村/現・つるぎ町一宇地区)の「報告書」原稿を、なんとか締め切り当日(1月20日)朝に提出しました。相変わらず時間ギリギリです。
私が担当したのは、つるぎ町役場一宇支所(旧村役場)の書庫から発見された検地帳群の研究リポートです。まとまって残っていた「元禄十一年戊寅年八月二日」の年記がある29冊の検地帳(写真1)を分析にして、17世紀末の旧・一宇村域の農地利用を考察してみました。
私が注目したのは、検地帳に記された「矩揃」(かねぞろえ)です。
「矩」(かね)とは、近世徳島藩の用語で「田畑の等級」を意味しており、「矩揃」とは検地帳に掲載された全筆の面積を「等級ごとに取りまとめる」ことを意味しています。通常、検地帳の末尾には「矩揃」が掲載されており(写真2)、田畑の等級ごとの面積を容易に知ることができます。これを分析してみました。
分析の結果は、半年後の7月に刊行予定の「阿波学会報告書」に掲載されます。お楽しみに。
(主任学芸員 松下師一)