当館では、毎年8月に、学芸員資格の取得を目指す大学生を、「博物館実習生」として受け入れています。
今年度の博物館実習は、8月27日(火)~9月1日(日)の1週間でした。その際、実習課題として1枚の絵の展示を行いました(下の写真)。
たった1枚の絵の展示ですが、その準備作業は膨大なものでした。
(1)収蔵庫内での資料整理(約80点)
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(2)整理資料のクリーニング
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(3)同資料のデータカード作成と写真撮影
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(4)データカードのコンピュータ入力
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(5)データを見て展示候補のピックアップ
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(6)展示解説(キャプション)の調査・執筆
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(7)実際の展示作業
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(8)模擬ギャラリートークの実施
というわけです。
この、実習生の思い出が詰まった“1枚の絵”も、本日(2月16日)で展示終了です。半年にわたり、当館文化財展示室(人形浄瑠璃芝居の展示室)前に掲示してありましたが、次の企画を開催するために撤収します。
実習生の皆さん、今ごろは卒論を終えて、次のステップ(就職・進学)に向けて英気を養っていると思います。ぜひ、次のステップでも活躍されますよう祈念しています。
(主任学芸員 松下師一)
〔追記〕
なお、この絵の展示のキャプション中、「かんごい(甘恋)」と記した箇所は、「かんごい(寒声)」※と解釈する方が適切であるとの指摘を受けました。ご指摘くださいました早稲田大学の神津武男先生に感謝を申し上げるとともに、その旨を訂正補足させていただきます。
※ジャパンナレッジ「日本国語大辞典」で、【寒声】を検索すると、「歌を習う者や僧などがのどをきたえるため、寒中、早朝や夜中に発声練習をすること。また、その声。」とある。