「コウセイ恐るべし」とは、本来、孔子様がおっしゃったという「後生畏るべし」が正しい表現です。
「後生」とは「先生」の反対なので、同門の若者・後輩たちという意味ですね。つまりは「若者を軽んじてはならない。多くの秘めたる可能性(優れた点)がある。」という、慢心したベテランたちへの戒めの格言です。
でも、当館の初代館長は、「校正恐るべし」と言っていました。原稿(印刷)校正は、見直しても、見直しても、何らかの問題点が発見されるものです。そして、仕上がったときに、やっぱり「あっ!」というミスに気がつきます。ほんと「校正恐るべし」です。
いずれにせよ「コウセイ恐るべし」は、慢心したベテラン(たぶん私もそうなりつつある)への戒めとして、座右の銘に加えたいと思います。
(主任学芸員 松下師一)